「ベルカント・ブレス」とは?
イタリアの合理的な発声法、ベルカント唱法における呼吸法を基に、専門的な声楽家でなくても習得しやすいようにアレンジを加えたオリジナルの呼吸法。
歌の上達にも、健康にも同時に役立つものです。
キッチリした習得には、長い年月と根気が必要なものですが、この呼吸法に意識を向けて歌うようになる段階から、少しずつ声が楽に出せるようになり、声域が広がり、表現力が増すようになります。
頑張って取り組めば、声量や長いフレーズも苦なく歌いきれるようになります。
これは、私が30数年に渡り、歌の指導をしてく中で、クラシックの呼吸法から、ノンジャンルのどんな人にも役立つ呼吸法にするためにブラッシュアップしてきたものです。
個人レッスン、サークルでの指導の全てでこれを行って、成果を出しています。
通常、歌を上達させていくには、かなりの年月も掛かりますし、体で感覚を掴むために、レッスンを受ける間隔は短いに越したことはありません。
事実、私はイタリア留学時には、先生に週3回レッスンに通うように言われて、そうでなければ上達は難しいと言われました。
ただ、私が主に指導しているのは、趣味で歌っている方がほとんどで、サークルで言えば、忙しい時間の中でレッスンに通えるペースは、各々月に1回~2回という方がほとんどです。
中には、毎週時間を取ることが可能で、私の月2回のレッスンの無い週に自主的に練習を行っているサークルもありますが、ほとんどは月に1回~2回しか歌っていないという状態で、平均年齢が70代に近いサークルもたくさんあります。
そういった条件であっても、ただ歌って楽しいだけでなく、少しでもやった分だけ上達して欲しいとの想いから、この「ベルカント・ブレス」と基礎的な発声練習は欠かさずにレッスンで行っています。
それにより、月1~2回では音楽的な仕上りまでに至るには時間は足りない面はありますが、発声に関しては、毎週レッスンを行っているサークル、個人レッスンを受けている人が混じっているサークルにも引けを取らないと自負しています。
「ベルカント・ブレス」が生まれるまで
私は、今から30年以上前、歌の勉強のためイタリア留学した時に、ベルカント唱法を習ってきました。
わずか1年の留学でしたが、その間に3人の素晴らしい先生に指導を受けることが出来ました。
1人は、年配で歌手としては引退をした先生で、イタリアの昔の多くの先生方がそうであったように、声の響かせ方と、ベルカント唱法の基礎となるレガート唱法を徹底的に教え込まれました。当時、70歳を越えていましたが、私よりも遥かに声が響いていて、最初に衝撃を受けたのを今でも鮮明に覚えています。